正確なインピーダンスコントロールの為の設計手法
基板の特性インピーダンスコントロールで目標値と測定値のずれを製造のバラツキは致し方無いが、正確でありたい物です。 精度の高い計算式やシミレーションでのパラメータ値と製作した基板の値が誤差が無ければ、 インピーダンスの誤差も無いものです。-
正確な比誘電率
誘電率は、材料の樹脂分と、周波数によって変化します。 材料メーカーが公開している、カタログ値では詳細値は載っていません。 材料メーカーに問い合わせると、各材料毎の樹脂分、厚さ、ガラスクロスのタイプ、 周波数に応じた、比誘電率の表、又はグラフの情報を頂くことが出来ます。
比誘電率は真空の誘電率との比率です。
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正確な層間距離
基材メーカーのカタログのプレプレグの公称厚さ通りには製造されません。 基板製作メーカーでマイクロセクションによる層間距離の測定データの蓄積がある所で有れば 製作する基板の層構成と同じ層構成の過去のマイクロセクションによる層間距離のデータを利用しましょう。 -
仕上がり銅厚、パターン巾
銅箔の厚さではスルホールメッキ分がある層には、メッキ厚も含めましょう。 エッチング巾は、製作指示書にインピーダンスコントロールラインのDコードは 誤差が少なくなるように指示をする。 -
シミュレーション、計算式
● シミュレーションソフトを信頼
シミレーションソフトメーカーのセミナーで「シミレーションの値は、限りなく正確」との事でシミレーションソフトをお持ちの方は その値を信頼して良いと思います。 測定値との誤差は、誘電率が正確として、製造誤差にあると思います。
● シミレーションソフトが無い場合
私が使っている技術書と数学計算ソフトを紹介します。
これらの技術書での計算式は複雑な式が多く、誤差も少ないです。 又全てのパータンの計算式を網羅してある訳ではありませんが、「マイクロ波技術講座」は基礎理論より説明があり 理解すれば、計算式を作成する事も出来ます。 かなり複雑な計算式が多いので、弊社では 「数学計算ソフト カルキング」 を使っています。 このソフトは学校で習った数学の書式そのまま入力すると計算してくれ、誰でも簡単に計算できます。
「実用 マイクロ波技術講座 理論と実際 第1巻」「第2巻」 著者 工学博士 小西良弘
このシリーズ1巻から7巻まであり1巻2巻を持っています。 基板のインピーダンスはこの2冊に基礎から解説して有ります。 ある程度の電気の基礎、数学が出来ないと、解らないかも。 2巻目にデファレンシャルモードが解説して有ります。このシリーズをインピーダンス計算の主要式としています。 これらの式は複雑な式が多く、その分精度が良いと思っています。 中には誤差率0.5%や0.8%等と記載があり、殆ど正確と思っています。
「Transmission Line Design Handbook」インピーダンスを計算している方は、是非持っていたい書籍。 多くのパターンの式が掲載されています。 英文です。 価格も高いです。
「高速デジタル回路 実装ノウハウ」この書籍には一般的な式程度、マイクロストリップ、ストリップ、エンベデット.マイクロストリップ、コプレナー(GNDベタ)の式ですが、その他高速処理の為の層構成などあり役に立つと思います
"マイクロ講座1"のマイクロストリップ、ストリップラインについて、カルキングでの計算式、 カルキングのファイルを ダウンロード出来ます。
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製作後の測定値との補正
過去の測定値のデータがあれば、同一層構成の場合、計算値と測定値の誤差の比率により、目標値の補正を 行う事により、殆ど誤差が無くなると思います。 製造のバラツキは許容するしかありませんが、バラツキのセンター値で誤差ゼロを目指しましょう。
● 基板の仕上がり値(マイクロセクションの値)が解る場合
計算値の各パラメーターと仕上がり値の比較で、製作値の誤差があると思います。 次回製作時に誤差が無いように製作して頂きたいものですが、有る程度の誤差は許容して、ラインの幅を調整しか無いと思います。 マイクロセクションの値で計算し、ライン幅の修正を行う。
● 基板の仕上がり値が不明な場合
層構成や材料は同じとして、パターン幅のみで補正する事とします。 理論が解っていれば、簡単なのですが、
よって、Z0は幅Wに反比例するので測定値が低ければ、W=狭く,高ければ,W=広くすれば良い。
例: 計算値50Ωで測定値45Ωの場合
計算値、シミュレーション値、測定値とも正確として、誤差原因は、製造誤差と考えます。
測定値から、パターン幅を逆算して、元の計算値との差をエッチング誤差として幅の比率にて、その分逆方向に幅を補正する方が、より理論的と思います。
インピーダンス値のズレの比率からでも、値はほぼ同じです。
3Wの間隔が確保されて入れば、ほぼ正確かと思います。 信号近くに他の信号やGND等が有る程度ある場合は比率を多めに見る必要があります。
インピーダンス計算式,ダウンロード
- 小生,山本は「プリント基板におけるインピーダンス計算」 の講演を行い。 教育研究委員会賞を受賞しました。 カルキング開発メーカー 株式会社シンプレックス に詳しい報告があります。
- 基板上のインピータンス計算
数学計算ソフト 「カルキング」
のライブラリー ファィルのダウンロード
使用している計算式は、 「実用 マイクロ波技術講座 理論と実際 第1巻」「第2巻」
著者 工学博士 小西良弘 発行所 ケイラボ出版 の式を使用しております。
基板上で、使用するケースの殆どが乗っており、又 マイクロ波関係の基礎理論から、詳しく説明してありますので、 計算式が無い場合でも、理論より計算式を導く ことが可能です。
この本には、マイクロストリップライン等の計算式の誤差0.5%以下などの 記載があり、私は非常に精度の高い計算式と思っております。
数学計算ソフトの「カルキング」 株式会社 シンプレックス の紹介します。カルキング体験版(15日又は50回まで無料)
カルキングライブラリーファイル '16.3.25 (ログイン,新規入会)カルキングソフトが必要です。
マイクロストリップライン インピーダンス計算 ストリップライン インピーダンス計算 デファレンシャル-マイクロストリップライン インピーダンス計算 デファレンシャル-ストリップライン インピーダンス計算
- マイクロストリップ 第1巻 ページ123の式。
- ストリップライン ページ118の式 この式は誤差範囲が0.5%以下である。
- デファレンシャル-マイクロストリップ 第2巻ページ295の式。
- デファレンシャル-ストリップ 第2巻ページ111の式。
メッシュ GND インピーダンスコントロール基板を薄く
特性インピーダンスコントロールの場合、メッシュGNDにする事により、
静電容量を小さくする事が出来ます。結果、薄く出来ます。
特性インピーダンスコントロール基板の場合、通常のベタGNDでは静電容量が多くなり、薄くする事に限度があります。
GNDをメッシュにする事により、静電容量を少なく出来、基板を薄くする事が出来ます。
プリント基板の伝送損失(S21) シングルライン、デファレンシャル等全タイプ
高周波の場合、信号損失は大きくなります。 近年GHz帯域の基板が増えています。ラインが長くなると、信号減衰を気にしない訳にはいかない場合があります。
学校で習った式の形式のまま入力でき、計算をやってくれます。
その上、作表、表計算、作画、ワープロ機能も 有ります。 価格も低価格ですよ。(3万円チョイ)
近年Sパラメータの測定の相談も来る様になりました。 弊社のお客様で 各種電子部品の特性の測定を株式会社モーデックで行っています。
下記リンクが伝送損失計算式です。
図研CR5000-PWSツールのフリーソフト
私がPWSを10年に渡り使用する上で、PWS用のツールが数多くあります。 今後、それ等を整備してフリーソフト(正確にはカンパソフト)として 公開して行きます。
POST_PSコードのカラー変換
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図研のCAD PWSでVer13まではプリンタードライバーPOST_PSは
グレーモードのみでカラーコードの対応がありません。
POST_PSの出力コードをRGBカラーに書き換える
ソフトウェアです。
対応OS HP-UX10.2
PWSの使用者の皆様ご利用下さい。
但し、世の為になにがしかの貢献をなさっている方にのみ使用を許諾します。
ダウンロードの際は、ご記帳をお願いします。
PSコードカラー変換ダウンロード、ログイン,新規登録 |
- 注意
- CR5000-PWS Ver14.0以上の方は、PWSの ソフトをご利用下さい。
CR5000-PWS アスキー入出力、データー処理サービス(フォマット変換等)
CR5000の使用の方で 通称 sreg,sbac(アスキーファイル入出力プログラム)をお持ちで無い方に、
CR5000-PWSのデーターファイルをアスキーファイルに出力するサービスをお受けいたします。
他のCADへの移行や、他のCADへのデーター変換
したい場合等の時にご利用下さい。
その他基板上での配線チェック用の座標値データー作成やネット変換したいがソフトが無い、
全ネットにテストパットの追加等もご相談下さい。
- アスキーファイル入出力料金は1ファイル 3万円です。
- 1ファイルとは .pcu .pcm .pcw .pcp .pcg 等の1セットのファイルです。
- 出力の際は、小数点以下の行数、部品や部品記号等を分解するしない、等のパラメーターファイルの設定があります。出力の目的に応じてパラメーターを指示して下さい。
- アスキーファィルをCR5000-PWSに変換する場合、
部品ファィルのみの場合は .bsf .mdf
又基板ファィルにデーターがある場合には .udf
又配線データーがある場合は .ccf .wsf .wdf が必要です。
PWSのバージョンは特に指定が無ければ 最新バージョン となります。
PWS 10.3 も可能です。
- データーの受け渡しは 圧縮後メールを利用して下さい。
Sbac,Sreg,Wirbac,Wirreg について
- (株)図研の商品で 図研のCAD CR5000-PWSのデーターファイル
をアスキーファイルに出力及びアスキーファイルをCR5000-PWS
データーファイルに入力したりするソフトウェアです。
図研からオプションソフトとして販売されています。
- 対象ファイルは .pcu .pcm .pcw です。
- 他のCADへ変換するには、Sbacで出力したアスキーファイルを他の
CAD用のアスキーファイルのフォーマットに変換するソフトウェアが
通常は必要です。
その他、CR5000-PWSの データー処理の件に付いて、どんなことでもご相談下さい。
おそらくご希望通りのデーター処理が可能でしょう。
基板の配線のチッカー用の座標値データー等ご要望に応じます。 (フラィングチッカー)
マウンターデーター、ネット変換等